この記事では、次のような疑問や悩みに答えます。
- 小型で性能と価格のバランスが良いパソコンを探している。
- GEEKOMのミニPC「A5」がどのような製品か知りたい。
- GEEKOMのミニPC「A5」の性能が知りたい。
GEEKOMからRyzen7 5800H搭載で、性能と価格のバランスが良いミニPCが発売されました。
本記事では、ミニPCで実績のあるGEEKOMから販売されている「A5」を紹介します。
「A5」はコンパクトなPCでありながらも、CPUにRyzen7 5800Hを採用し、メモリは32GB搭載していて、十分な性能を持っています。
記事内では、製品の概要から外観、性能計測の結果などを紹介しますので、製品選定の参考にしていただければと思います。
GEEKOMのミニPC「A5」の製品概要

「A5」は、GEEKOMが販売する AMDの4世代CPU(Zen3(7nm))を搭載した小型のパソコンです。
CPUには AMD Ryzen7 5800H(8コア、16スレッド)、メモリは32GB、ストレージは512GBを搭載しています。(換装することで、メモリは最大64GB、ストレージは2TBまで拡張が可能)
無線はWi-Fi 6 と Bluetooth 5.2に対応しています。
本体は片手に乗せられるぐらいコンパクトです。
主なスペックは以下の通りです。
型番 | A5 |
CPU | AMD Ryzen7 5800H (8コア、16スレッド、16M キャッシュ、3.2 GHz 〜 4.4 GHz) |
グラフィック | AMD Radeon Vega 8 Graphics |
メモリ | デュアルチャネル DDR4-3200 SODIMM、32GB ※64GBまで拡張可能 |
ストレージ | 1 x SSD (2280 M.2 SATA/PCIe Gen3 x4)、512GB ※2TBまで拡張可能。 |
ストレージ拡張 | 1 x 2.5 インチ SATA HDD (7mm)、非搭載 ※2TB まで拡張可能 |
インタフェース(前面) | USB Type-A(3.2 Gen 2 + PD) x 1 USB Type-A(3.2 Gen 2) x 1 3.5 mm ヘッドフォン ジャック x 1 電源ボタン |
インタフェース(背面) | DC ジャック USB Type-C(3.2 Gen 2) x 2 HDMI 2.0b ポート x 2 RJ45 2.5ギガビット イーサネット ポート x 1 USB Type-A(3.2 Gen 2) x 1 USB Type-A(2.0) x 1 |
インタフェース(側面) | SD カード リーダー x 1 |
ワイヤレス | Wi-Fi 6 Bluetooth v5.2 |
OS | Windows 11 Pro |
サイズ | 約 117 x 112 x 49.2 mm |
重量 | 約 652g |
詳細は、以下の公式サイト、またはAmazonのサイトでも確認できます。
GEEKOM「A5」のパッケージと内容物
GEEKOM「A5」のパッケージを紹介します。
パッケージはしっかりとした紙製の箱です。
薄いビニールで保護されているので、配送時の水濡れの心配がありません。

パッケージの表側には、「A5」の文字が左上に、製品の写真が中央に大きくプリントされています。

パッケージの側面には、GEEKOMのロゴや製品のイラストなどがプリントされています。本製品を含め、GEEKOMのミニPCのパッケージはどれもデザイン性があり、こだわりが感じられます。

パッケージの裏側には、スペックが記載されています。

パッケージを開封すると、保護シートに包まれたミニPC本体が現れます。
ミニPC本体はしっかりと固定されているので安心です。

パッケージの中には、以下の6点が入っています。
<内容物>
・ミニPC本体(A5)
・電源アダプタ+電源ケーブル
・HDMIケーブル
・VESAマウントキット
・ユーザーガイド
・Thank You カード

内容物(付属品)を順番に見ていきます。
電源アダプタと電源ケーブルです。
電源ケーブルは3P(三又)になっているので、2Pへの変換アダプタを用意するか、3Pが挿せるコンセントが必要です。

電源アダプタは、約120W(119.7W)出力の物が付属しています。

長さが約1mのHDMIケーブルも付属します。

VESAマウントするための金具とネジが付属します。
VESA対応のディスプレイの裏などに固定したい場合に使用します。

ユーザーガイドは多言語表記で、日本語の記載もあります。
図が多めなので、分かりやすいです。


Thank You カードも入っています。
ちょっとした気遣いが嬉しいです。

GEEKOM「A5」の外観
GEEKOM「A5」の外観を紹介します。
開封直後は、保護シートにより本体が保護されています。

本体はピンクゴールドで、コーナーにはシルバーのラインが施されています。
高強度の金属およびプラスチックフレームのボディで、剛性があり高級感もあります。

上面(天面)は、中央に「GEEKOM」のロゴがプリントされています。

前面には、ボタンや端子類が配置されています。
左から、「USB Type-A(3.2 Gen 2 + PDポート)」、「USB Type-A(3.2 Gen 2)」、「3.5mm ヘッドフォンジャック」、「電源ボタン」が配置されています。

背面にも端子類が多数配置されています。
左から、「DCジャック」、「USB Type-C(3.2 Gen 2)」、「HDMI 2.0b」、「2.5ギガビットイーサネット」、「USB Type-A(3.2 Gen 2)」、「USB 2.0」、「USB Type-C(3.2 Gen 2)」、「HDMI 2.0b」が配置されています。

側面には、「SDカードリーダー」と「セキュリティスロット」が配置されています。


底面には、ゴム足と内部にアクセスするためのネジが4箇所配置されています。
(技適マークも取得されていますので、国内でも安心してワイヤレスでの利用が可能です)

GEEKOM「A5」を接続して起動
「A5」を使うには、ディスプレイ、キーボード、マウスを別途用意し、ケーブルを接続するだけです。

接続が完了したら電源を入れて起動します。
起動すると、Windows11の初期設定画面が立ち上がります。
画面に従って操作すると、Windows11が使用できる状態になります。

OSは「Windows11 Pro」であることが確認できます。

CPUは「AMD Ryzen7 5800H」で、8コア16スレッドであることが確認できます。

メモリは 32GB で、ストレージ(SSD)は 512GB であることが確認できます。
※今回装着されていたSSDはLexarのNM620で、PCIe Gen3 x4でした


GEEKOM「A5」の性能を計測
「A5」の性能を計測します。
CPUやGPU、ディスク性能を計測していきます。
CINEBENCH R23 での計測結果
「CINEBENCH R23」を使ってCPUの性能を計測します。
まずはシングルスレッドの性能から計測します。
計測前のCPU温度は45℃近辺です。(計測時の室温は27℃程度)

計測中のほとんどで、CPU温度は90℃前後で推移していました。

計測の結果、シングルスレッドのスコアは「1423」でした。
ベンチマーク中の最大温度は97℃となりました。サーマルスロットリングは発生していないようです。

次にマルチスレッドの性能を計測します。
計測開始の立ち上がりでは、100℃を超えるような温度となり、おそらくサーマルスロットリングが発生していると思われます。しかしうまく制御はされているようで、ほとんどの場面でCPU温度は95℃前後を推移していました。

計測の結果、マルチスレッドのスコアは「10260」でした。
ベンチマーク中の最大温度は101℃となりました。

「CINEBENCH R23」の計測結果は、シングルが「1423」、マルチが「10260」とかなり高い性能になっています。
高負荷時のCPU温度は高めですが、うまく制御されているので問題はなさそうです。
Geekbench 6 での計測結果
「Geekbench 6」を使ってCPUとGPUの性能を計測します。
CPUの計測結果は以下のとおり、シングルが「2013」、マルチが「9399」でした。

GPUの計測結果は以下のとおり、OpenGLが「17606」でした。

「Geekbench 6」の計測結果も高い値となっています。
CrystalDiskMarkでの計測結果
「CrystalDiskMark」を使ってストレージ(SSD)の性能を計測します。
結果は、読み込みが「3503 MB/s」、書き込みが「3127 MB/s」とかなりの速度が出ています。

SSDがPCIe Gen3 x4ということもあって、十分な速度が出ています。
これだけの速度が出ていれば、ディスクの読み書きで遅いと感じる場面はほとんどないと思います。
GEEKOM「A5」のゲーム性能を計測
「A5」のゲーム性能を計測します。
本製品はゲーム向けのPCではありませんが、試しにどれぐらいの性能を持っているのかを計測しました。
搭載しているGPUは、CPU内蔵の「AMD Radeon Vega 8 Graphics」です。

ドラゴンクエストX ベンチマーク
ドラゴンクエストX ベンチマークアプリで計測します。
設定は、標準品質、フルHD(1920 x 1080)、フルスクリーンで実施します。

ベンチマーク中のFPSは多くの場面で120FPS以上をキープしていました。

計測の結果は、スコア「12986」で、評価「すごく快適」でした。


ドラゴンクエストX は、比較的軽めなゲームということもあり余裕で、快適に遊べそうです。
ファイナルファンタジーXIVベンチマーク
ファイナルファンタジーXIVベンチマークアプリで計測します。
設定は、標準品質(デスクトップPC)、フルHD(1920 x 1080)、フルスクリーンで実施します。

ベンチマーク中のFPSは多くの場面で40FPSあたりをキープしていました。

計測の結果は、スコア「6556」で、評価「やや快適」でした。


ファイナルファンタジーXIVは、それなりにプレイできそうです。
ファイナルファンタジー XVベンチマーク
ファイナルファンタジー XVベンチマークアプリで計測します。
設定は、軽量品質、フルHD(1920 x 1080)、フルスクリーンで実施します。

ベンチマーク中のFPSは多くの場面で20FPS後半となっていました。

計測の結果は、スコア「2869」で、評価「やや重い」でした。


ファイナルファンタジー XVは重めのゲームということもあり、軽量品質でも「やや重い」という結果でした。プレイできなくはないけれど、快適にプレイするのは厳しいです。
GEEKOM「A5」の使用感
GEEKOM「A5」の使用感として、良いと感じた点、イマイチと感じた点を紹介します。
良いと感じた点
高い性能を持っている
CPUには AMD Ryzen7 5800H(8コア、16スレッド)、メモリは32GB、ストレージは512GBを搭載していて、高いスペックとなっています。ストレージの512GBで足りなくなった場合でも換装や増設で強化することも可能です。
Ryzen7 5800Hのベンチマーク計測結果は、「CINEBENCH R23」ではシングルが「1423」、マルチが「10260」、「Geekbench 6」ではシングルが「2013」、マルチが「9399」であり、かなり性能が高いです。
Webブラウジングやオフィスソフトの利用、動画再生などはもちろん、それなりのクリエイティブな作業でも十分に活躍します。
実際に使用していてもサクサクと動作するので、ストレスを感じる場面はほとんどありません。
端子類が豊富
これだけ小さなボディの中に、たくさんの端子が備わっています。
USBは、USB Type-C(3.2 Gen 2)が2ポート、USB Type-A(3.2 Gen 2)が3ポート、USB Type-A(2.0)が1ポートと合計6ポートも設けられています。
他にも、2.5ギガビットイーサネットポートやHDMI x2、SDカードリーダ、ヘッドフォンジャックといったように端子類が豊富です。
端子が少ないと、別途ドッキングステーションやハブを用意する必要がありますが、特殊な使い方をしない限りはその心配もありません。
本体カラーが綺麗(可愛らしい色)
本体のカラーがミニPCとしては珍しいピンクゴールドです。
上品な薄めのピンク色という感じで、他のミニPCにはない色です。コーナーのシルバーがワンポイントになっていて、高級感も感じられます。
可愛らしい本体を探している方や、ありふれた色のパソコンに飽きた方にもおすすめです。
最大8Kの出力、4画面同時出力に対応
USB-C(2ポート)とHDMI(2ポート)を使って、最大4画面同時出力が可能です。
USB-Cでは、最大8K30Hz出力が可能。
HDMIでは、最大4K60Hz出力が可能。
最大4画面まで出力可能なので、作業効率が上がります。
こんなにコンパクトな本体でありながらも8K出力や4画面同時に出力可能な点は凄いです。
コストパフォーマンスが高い
CPU性能も高く、メモリを32GBも搭載しているにも関わらず、価格が抑えられています。
記事執筆時点では、クーポンなどを利用することで5万円台で購入可能です。
これだけの性能を持つミニPCが5万円台で購入できるというのは、コストパフォーマンスが良すぎると言わざるを得ません。
十分な性能は欲しいけれど価格は抑えたいという方にはおすすめの製品です。
SDカードスロットを備えている
ミニPCには珍しく、標準のSDカードスロットが搭載されています。
特に写真や動画撮影でSDカードを扱う方や、SDカードにデータを保存している場合には重宝します。スマホやタブレットとのmicroSDカードでのデータのやり取りもしやすいです。(microSDを扱う場合は、変換アダプタは必要になります)
イマイチと感じた点
電源アダプタが大きく、USB-Cでの給電には非対応
約120W出力ということもあり、電源アダプタが結構大きいです。どうしても場所をとってしまうので、もう少しコンパクトだと嬉しいです。
また、別途所有している140W出力のUSB-C充電アダプタでは起動できませんでした。USB-CポートはUSB PDに対応していないので起動しないのは当たり前ですが、USB-C充電アダプタで起動できるともっと良い製品になると感じました。
まとめ
本記事では、ミニPCで実績のあるGEEKOMから販売されている「A5」を紹介しました。
「A5」はコンパクトなPCでありながらも、CPUにRyzen7 5800Hを採用し、メモリは32GB搭載していて、十分な性能を持っています。
可愛らしいカラーの本体で、十分な性能を備え、価格も抑えめという、性能とコストのバランスが取れた魅力的なミニPCです。
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