この記事では、次のような疑問や悩みに答えます。
- 削除してしまった大切なデータ(ファイル)を簡単に復元したい
- データ復元ソフト「Wondershare Recoverit」がどのような製品か知りたい(使い方を知りたい)
誤って大切なデータ(ファイル)を消してしまったり、不要だと思って削除したデータがあとで必要になったという経験はありませんか?
ゴミ箱に入っている場合は削除したデータを簡単に元に戻せますが、そうでない場合は削除してしまったデータは簡単には戻せません。削除したデータを戻すには復元作業が必要になります。しかし、復元したいと思ってもどうすればよいのか分からないのではないでしょうか?
データを復元する方法として、データの復元を専門的に扱っている業者に依頼するというのもありますが、この方法は費用が高額で、数万円以上かかるといったケースが多く、気軽に依頼できるものではありません。(会社の大切なデータであればお金をかけることもできるでしょうが、個人的なデータの場合はそこまでの金額をかけるのは難しいケースが多いと思います。)
そこで本記事では、データ復元ソフト「Wondershare Recoverit」を使って削除したデータ(ファイル)を復元する方法を紹介します。
「Wondershare Recoverit」はデータ復元専用のソフトウェアで、簡単な画面操作でデータの復元が可能です。数千円から利用できます(買い切りでも1万円ほどです)。業者に依頼することを考えると遥かに安く済みます。
また、無料版(復元はできないが、削除したファイルをスキャンし、プレビューが可能)が用意されているので、削除したデータが復元できそうかを確認した上で購入できるので安心です。
データ復元ソフト「Wondershare Recoverit」の製品概要
機能概要
「Wondershare Recoverit」は、Wondershare社が提供するデータ復元専用のソフトウェアです。
Wondershare社は2003年に設立された会社で、動画編集などのクリエイティブ系製品をはじめデザインやユーティリティ系製品といった幅広い分野で、数多くのソフトウェアソリューションを展開しています。
「Wondershare Recoverit」の主な特徴は以下の通りです。
■あらゆるデバイス、ファイルに対応
PC、HDD、SD、USBなど、あらゆるデバイスから誤削除や突然のトラブルで消えてしまったファイル(写真/動画/音声ファイル/メール/ドキュメントなど1000種類以上のファイルに対応)を復元できます。
■高い復元率
革新的なデータ復元方法と動画ラグメントのスティッチング復元により、35件の特許を取得し、95%という業界でも高い復元成功率を誇っています。
■プロも利用し、多くの実績がある
Recoveritはプロも利用する復元専門のアプリケーションで、世界160カ国以上、500万ユーザ以上に利用されている実績があります。
■簡単な操作
ソフトの使い方は簡単で、3ステップでデータの復元が可能です。
「Wondershare Recoverit」の詳細は公式サイトをご確認ください。
動作環境
「Wondershare Recoverit」には、Windows版とMac版が用意されています。
それぞれの動作環境は以下のとおりです。
■Windows版の動作環境
対応OS | Windows(11, 10, 8.1, 8, 7, Vista, XP) Windows Server(2016, 2012, 2008, 2003, 2000) |
CPU | 500 MHz以上のプロセッサ |
メモリ(RAM) | 2GB以上のRAM |
ディスク空き容量 | 最低 100MBのディスクの空き容量が必要 |
復元可能なファイルシステム | FAT(FAT12,FAT16,FAT32)、exFAT、NTFS、NTFS5、ext2/ext3、HFS+、ReFS |
■Mac版の動作環境
対応OS | Mac OS X 10.6(Snow Leopard)以上 MacOS 10.12 (Sierra)以上 |
CPU | 500 MHz以上のプロセッサ |
メモリ(RAM) | 2GB以上のRAM |
ディスク空き容量 | 最低 100MBのディスクの空き容量が必要 |
復元可能なファイルシステム | APFS、HFS+、HFS X、exFAT、NTFS、FAT (FAT16, FAT32) |
ライセンス体系(無料版あり)
「Wondershare Recoverit」には、無料版(試用版)と有料版(ライセンス購入が必要)があります。
無料版と有料版の大きな違いは、無料版は削除したファイルをスキャンし、スキャンされたデータのプレビューまでは可能ですが、ファイルの復元はできないという点です。ファイルの復元をするには有料版のライセンス購入が必要です。
無料版であらかじめファイルの復元が可能かを確認できるため、ライセンスを購入したけれど復元できなかったという事態を避けられるので安心です。
有料版のライセンスには、以下の3種類が用意されています。
- Pro版
- Ultimate版
※Pro版の機能に加え、起動ディスク作成が可能(起動しないパソコンからデータ復旧) - Ultimate Plus版
※Ultimate版の機能に加え、高画質な動画の復元・修復や、NAS・Linuxのデータ復旧が可能
また、上記3種類のライセンスには、それぞれ月額プラン(1PC)、永続ライセンス(1PC)、1年間プラン(5PC)が用意されています。
実際の価格は下記の公式サイトで確認できます。ライセンスによる機能の違いやライセンスの購入もできます。
■Windows版のライセンス
■Mac版のライセンス
「Wondershare Recoverit」のインストール方法
「Wondershare Recoverit」のインストール方法を紹介します。
本記事では、Windows版で説明しますが、Mac版でも同様の方法でインストールや使用ができますので参考にしてください。
「Wondershare Recoverit」の公式サイトにアクセスします。
アクセスした公式サイトの「無料ダウンロード」をクリックします。
インストーラーファイルがダウンロードされます。

ダウンロードしたインストーラーファイルをダブルクリックして起動します。

インストーラーが起動するので、「インストール」をクリックします。

プライバシーポリシーと使用許諾契約書の画面が表示されます。
プライバシーポリシーと使用許諾契約書の内容を確認し、「同意してインストール」をクリックします。

インストールが開始されます。
100%になるまでしばらく待ちます。

インストールが完了すると、以下の画面が表示されます。
「今すぐ開始」をクリックします。

「Wondershare Recoverit」のトップ画面が表示されます。

これでインストールは完了です。
事前に有料版のライセンスを購入している場合は、ライセンスを登録することで有料版として使用できます。ライセンスを登録するには、画面右上の人型と「ログイン」と記載されたアイコンをクリックします。(無料版として試してみる場合は、ライセンス登録は不要です。)
ログイン画面が表示されるので、ライセンス購入時に登録したメールアドレス(Wondershare ID)とパスワードを入力してログインするとライセンスとの紐付けが完了し、有料版として使用できるようになります。

ログインが完了すると、トップ画面に戻ります。

これでライセンスの登録(認証)が完了し、有料版として使用できるようになりました。
削除したデータを「Wondershare Recoverit」で復元するやり方
削除したデータを「Wondershare Recoverit」を使って復元するやり方を説明します。
この説明を見ることで、削除したファイルを簡単に復元できることを体験してもらえます。
今回は、USBメモリに入れている動画ファイル(5ファイル)、写真ファイル(3ファイル)、PDFファイル(2ファイル)の合計10ファイルを誤って削除したことを想定し、それらのファイルの復元を行なっていきます。
USBメモリ(Dドライブ)に10個のファイルが入っています。

USBメモリに入っている10個のファイルを削除します。

USBメモリから10個のファイルが削除され、ファイルがなくなりました。

もちろん、ゴミ箱にもファイルはありません。

USBメモリから10個のファイルが削除されたので、削除した10個のファイルにはアクセスできない状態となりました。
ここからは、削除した10個のファイルを「Wondershare Recoverit」を使って復元していきます。
「Wondershare Recoverit」を起動します。
左のメニューから「HDDやデバイスから復元」を選択し、右の画面でデータを復元したい対象のデバイス(USBメモリ)をクリックします。

削除したファイルのスキャンが開始されます。
スキャンの進捗状況は画面左下に表示されます。
※スキャンにかかる時間は対象デバイスの容量や転送速度などにより大きく異なります

スキャンが完了すると、以下のメッセージが表示されます。
「OK」をクリックします。

スキャン結果はWindowsのエクスプローラのような形式で表示されます。
削除した10個のファイルが見事にスキャンによって検出されています。

復元する前にプレビューで復元できそうかを確認することもできます。
プレビューを見るには、ファイルを選択して、右の「プレビュー」ボタンをクリックします。

このようにプレビューが表示できます。
スキャン(検出)とプレビューまでは無料版でも可能です。
(ファイルが破損している場合やスキャンでうまく検出できなかった場合はプレビューができない場合があります。)

ファイルを復元するには、復元したいファイル(またはフォルダ)にチェックを付けて、「復元する」ボタンをクリックします。

復元後のファイルを保存する場所を尋ねられるので、保存場所を選択し、「復元する」をクリックします。

ファイルの復元が完了すると、以下の画面が表示されます。
※「フォルダを開く」をクリックすると復元後のファイルが出力されたフォルダをエクスプローラで開くことが可能ですが、復元が完了すると自動的にエクスプローラが表示されます

復元が完了すると、エクスプローラが自動的に開きます。
復元したファイルが入っているトップのフォルダ「名前のないファイル」が表示されています。

「名前のないファイル」フォルダの下にある「jpg」フォルダの中に削除した3個の写真ファイルが復元されていることが確認できます。

写真ファイルは問題なく復元できていて、表示もできました。
(3ファイルとも問題はありませんでした。)

「名前のないファイル」フォルダの下にある「mp4」フォルダの中に削除した5個の動画ファイルが復元されていることが確認できます。

動画ファイルは問題なく復元できていて、再生もできました。
(5ファイルとも問題はありませんでした。)

「名前のないファイル」フォルダの下にある「pdf」フォルダの中に削除した2個のPDFファイルが復元されていることが確認できます。

PDFファイルは問題なく復元できていて、全ページ表示もできました。
(2ファイルとも問題はありませんでした。)

このように、復元対象(デバイス)を選んでスキャンし、復元したいファイルを選択して復元するだけです。
とても簡単で直感的な操作でファイルの復元ができました。
今回は削除した10個のファイル全てを復元できました。
(状態によっては復元できない場合ももちろんあります)
削除してからできるだけ早く復元を行う方が、復元できる可能性が高いので、誤って削除してしまった場合はなるべくそのデバイス(USBメモリ)などを操作せず、すぐにでも「Wondershare Recoverit」を使って復元することをおすすめします。
まとめ
本記事では、データ復元ソフト「Wondershare Recoverit」を使って削除したデータ(ファイル)を復元する方法を紹介しました。
ソフトの操作も簡単で、「対象を選択する」→「スキャンする」→「復元する」のたった3ステップで削除したファイルの復元ができました。
今回は削除した10個のファイル全てを復元できました。
状態によっては復元できない場合ももちろんありますが、95%の復元率を謳っているだけあって期待できるソフトだと感じました。
まずは無料版で復元できそうか(スキャンで検出されて、プレビュー表示できるか)を確認してから、復元できそうならライセンスを購入するというので良いと思いますので、大切なファイルを復元したいという方には、ぜひ試してもらいたいです。
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