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「XU MINI M」にカスタムファームウェア「ROCKNIX」を導入

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ガジェット
「XU MINI M」にカスタムファームウェア「ROCKNIX」を導入

この記事では、次のような疑問や悩みに答えます。

  • 「XU MINI M」にデフォルトで搭載されているLinuxOS(StockOS)が使いにくいので、別のOSを入れたい。
  • 「XU MINI M」にカスタムファームウェア「ROCKNIX」を導入するやり方が知りたい。

AMPOWN(MagicX)から販売されている2.8インチのIPS液晶を備えた小型の中華ゲーム機「XU MINI M」には、デフォルトでLinuxOS(StockOS)が搭載されています。
「XU MINI M」については以下の記事で紹介しています。

デフォルトのStockOSはカスタマイズできる項目が限られているため、もっと設定を触りたいと思っても変更できず、痒い所に手が届かないと感じられている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、「XU MINI M」をもっと使えるゲーム機に変えてくれるLinuxOS「ROCKNIX」を紹介します。

「ROCKNIX」は、AnbernicやPowkiddyなどのメジャーな中華ゲーム機に対応しているカスタムファームウェアです。「XU MINI M」にも対応していて、導入することで全く別のゲーム機になったような使い勝手に変わります。デフォルトのStockOSではできなかった設定なども可能になります。

導入方法と簡単な使用方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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カスタムファームウェア「ROCKNIX」とは

「ROCKNIX」は、レトロ ゲームのエミュレーションに重点を置いた、携帯型ゲーム デバイス用の Linux ディストリビューションです。

AnbernicやPowkiddyなどのメジャーな中華ゲーム機に対応しているカスタムファームウェアで、「XU MINI M」にも対応しています。

詳しくは、以下のROCKNIXのWikiで確認できます。

ROCKNIX Wiki

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「ROCKNIX」導入の事前準備

「ROCKNIX」を導入するためには、以下の事前準備が必要となります。

<事前準備>
・microSDカード(2枚)
・パソコン
・Rufus(microSDへ書き込むツール)のインストール

microSDカード(2枚)

microSDカードを2枚用意します。
1枚目はOS用、2枚目はゲームデータ(ROM)用です。

今回は、1枚目に64GB、2枚目に128GBのmicroSDを用意しました。

「XU MINI M」にカスタムファームウェア「ROCKNIX」を導入

1枚目の容量は32GB程度あれば十分です。
2枚目の容量はゲームデータの量に合わせて用意してください。(128GBもあれば十分だとは思います。)

1枚のmicroSDでOSとゲームデータを兼ねることも可能ですが、パーティション操作ができるソフトが別に必要となるため、手順が増え、若干難易度が上がるので、2枚のmicroSDカードを使う方法を紹介します。(本記事の最後に1枚のmicroSDで運用する方法も紹介します)

パソコン

「ROCKNIX」の導入作業にはパソコンが必要です。
本記事では、Windows11のパソコンを使って説明します。

また、パソコンでmicroSDカードの読み書きを行うため、パソコンにSDカードスロットが搭載されていない場合は、microSDカードリーダーも必要になります。

Rufus(microSDへ書き込むツール)のインストール

「ROCKNIX」のOSイメージをmicroSDに書き込む作業が必要になります。
そのため、microSDに書き込むソフトとしてRufusを使います。

用意したパソコンにRufusをダウンロードして配置します。
Rufusはパソコンへのインストール作業は不要で、以下のサイトからダウンロードしたexeファイルを任意の場所に配置して実行するだけで使えます。

Rufus - 起動可能なUSBドライブを簡単に作成できます
Rufus: Create bootable USB drives the easy way

「ROCKNIX」の導入手順

「ROCKNIX」の導入手順を説明します。
(前述の「事前準備」を済ませている前提で進めます。)

導入の流れは以下のようになります。

1)「ROCKNIX」のイメージファイルをダウンロードする
2)1枚目のmicroSDに「ROCKNIX」のイメージファイルを書き出す
3)2枚目のmicroSDにゲームデータ(ROM)を用意する

1)「ROCKNIX」のイメージファイルをダウンロードする

「ROCKNIX」のイメージファイル(OSファイル一式をまとめたもの)をインターネットからダウンロードする手順を説明します。

パソコンのWebブラウザで以下のサイトにアクセスします。

Releases · ROCKNIX/distribution
Contribute to ROCKNIX/distribution development by creating an account on GitHub.

アクセスすると以下のような画面が表示されます。
(執筆時点では、バージョン「20250118」が最新でした)

カスタムファームウェア「ROCKNIX」のダウンロード

下の方にスクロールすると、「ROCKNIX」のイメージファイル(圧縮形式)のダウンロードリンクがあります。「XU MINI M」用のリンクをクリックしてイメージファイルをダウンロードします。

カスタムファームウェア「ROCKNIX」のダウンロード

エクスプローラでダウンロードできていることを確認します。

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ダウンロードしたイメージファイルは圧縮されているので、ファイルを右クリックして「すべて展開」を選択し、解凍します。

「XU MINI M」にカスタムファームウェア「ROCKNIX」を導入

解凍すると、指定したフォルダに「〜.img」ファイルができます。
この「〜.img」ファイルが「ROCKNIX」のイメージファイルです。

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2)1枚目のmicroSDに「ROCKNIX」のイメージファイルを書き出す

1枚目のmicroSDに「ROCKNIX」のイメージファイルを書き出す手順を説明します。

パソコンに1枚目のmicroSDを挿入します。

Rufus(microSDへ書き込むツール)を起動します。

Rufusの画面で、
最初に、「デバイス」で、1枚目のmicroSDを選択します。
次に、「ブートの種類」で、「選択」ボタンをクリックして「ROCKNIX」のイメージファイル(〜.imgファイル)を選択します。
最後に、「スタート」ボタンをクリックします。

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「スタート」ボタンをクリックすると、警告が表示されます。
間違いなく1枚目のmicroSDであることを確認して「OK」をクリックします。

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書き出しが完了すると以下のような画面になります。
「閉じる」をクリックしてRufusを終了します。

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これで「ROCKNIX」のmicroSDが完成しました。

1枚目のmicroSDを「XU MINI M」のTF1(左側のmicroSDスロット)に入れます。

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「XU MINI M」の電源をONにすると、「ROCKNIX」が起動します。
※初回の起動は2〜3分程度時間がかかります。

「XU MINI M」にカスタムファームウェア「ROCKNIX」を導入
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起動後に、セレクトボタンを押してQUICK ACCESS画面を表示します。
「SHUTDOWN SYSTEM」を選択し、電源をOFFにします。
※スタートボタンを押して表示されるメインメニューから、「QUIT」>「SHUTDOWN SYSTEM」を選択しても電源をOFFにできます

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3)2枚目のmicroSDにゲームデータ(ROM)を用意する

2枚目のmicroSDにゲームデータ(ROM)を用意し、ゲームをプレイするまでの手順を説明します。

2枚目のmicroSDのフォーマット形式が「exFAT」でない場合やmicroSD内にデータが存在する場合は、パソコンで「exFAT」でフォーマットします。
(「exFAT」形式の空のmicroSDを用意するのが目的です)

「exFAX」でフォーマットされた2枚目のmicroSDを「XU MINI M」のTF2(右側のmicroSDスロット)に入れ、電源をONにします。
このタイミングで2枚目のmicroSDに必要なフォルダ(ROMやBIOS格納用のフォルダ)が作成されます。

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「XU MINI M」の電源をOFFにして、2枚目のmicroSDを取り出します。

パソコンに2枚目のmicroSDを挿入します。
2枚目のmicroSDの中には「roms」フォルダが作成されているのがわかります。

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「roms」フォルダの中には、ゲームごとにフォルダが作成されているのがわかります。

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遊びたいゲーム機のフォルダにROMファイルをコピーします。
例えば、ゲームボーイアドバンスであれば「gba」フォルダの下に、ゲームボーイアドバンスのROMファイルをコピーします。

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BIOSが必要な場合は、「bios」フォルダにBIOSファイルをコピーします。
(BIOSを必要としないゲーム機であればこの作業は不要です)

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パソコンから2枚目のmicroSDを取り出し、「XU MINI M」のTF2(右側のmicroSDスロット)に入れ、「XU MINI M」の電源をONにします。

起動すると、2枚目のmicroSDのフォルダからROMのデータを自動的にスキャンし、ROMが入っているゲーム機が選択できるようになります。
先ほどゲームボーイアドバンスのROMを2つ入れたので、下の写真では、ゲームボーイアドバンスが表示されています。

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ゲームボーイアドバンスを選択すると、ゲームの選択画面が表示されます。
ここでプレイするゲームを選択します。

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ゲームを選択すると、ゲームが起動します。

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これでゲームを楽しめます。

「ROCKNIX」の使用感

デフォルトのStockOSでは、日本語の表示ができませんでしたが、「ROCKNIX」では日本語の表示が可能です。

スタートボタンを押して、「SYSTEM SETTINGS」の中にある「LANGUAGE(REGION)」で言語を日本語(Japanese)に設定できます。

「XU MINI M」にカスタムファームウェア「ROCKNIX」を導入

エミュレータに関しても様々な設定(ゲーム画面の比率の変更やパフォーマンスの変更など)が可能です。(すべてのゲーム機に対する変更や、ゲーム機ごとの変更も可能です)

「XU MINI M」にカスタムファームウェア「ROCKNIX」を導入
「XU MINI M」にカスタムファームウェア「ROCKNIX」を導入

デフォルトでは使用するエミュレータは「自動」になっていますが、特定のエミュレータで起動するように固定化することも可能です。

「XU MINI M」にカスタムファームウェア「ROCKNIX」を導入
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他にもメインメニューでは様々な項目のカスタマイズが可能です。デフォルトのStockOSよりもカスタマイズ性が高くなっています。

少しわかりにくかったのが、ゲームを終了する方法です。以下のページに記載されているようにGボタンを押しながら、スタートボタンを2回押すと終了できます。(ゲームによってはこの方法で終了できないものもあり、その場合、Gボタンやセレクトボタンなどを押して表示される画面からExitなどを選択して終了します。)

XU Mini M - ROCKNIX Wiki

ゲームのプレイについては、デフォルトのStockOSではうまく動作しなかったものが動作するようになったりと、改善されている点がありました。(逆に、うまく動作しないものもあるかもしれませんが)

とはいえ、基本的にはPlayStationぐらいのゲームがそれなりに動き、PSP、セガサターン、Nintendo64はそれなりにプレイできるものもありますが、タイトルによっては厳しい状態であることには変わりありません。

なぜかNitendoDSがタイトルによってはかなり重たいものがありました。
他のOSではサクサク動作していたものが、「ROCKNIX」ではカクついたりするので、エミュレータを変更したり、設定をいじってみましたが、あまり改善は見られませんでした。

OSの起動時間は36秒程度でした。
デフォルトのStockOSの起動時間は20秒程度だったので、かなり遅くなっています。

1枚のmicroSDで「ROCKNIX」のOSとゲームデータ(ROM)を共存させる方法

ここまで2枚のmicroSDを用意して、1枚目はOS用、2枚目はゲームデータ(ROM)用で運用する方法を紹介してきました。

ここでは、1枚のmicroSDにOSとゲームデータ(ROM)をまとめて、共存させる方法を紹介します。パーティションを操作する無料ソフト「MiniTool Partition Wizard 無料版」を使用するので、予めパソコンへソフトをインストールしておきます。

パソコンで1枚目のOS用のmicroSDを作成した後、そのままパソコン上で以下の手順を実施します。

「MiniTool Partition Wizard 無料版」を起動します。
microSDが以下のような4つのパーティションに区切られた状態で表示されます。
(サイズはmicroSDの容量によって下の写真とは異なります)

1枚のmicroSDで「ROCKNIX」のOSとゲームデータ(ROM)を共存させる方法

「STORAGE」ラベルのついたパーティションを右クリックし、「移動/サイズ変更」を選択します。

1枚のmicroSDで「ROCKNIX」のOSとゲームデータ(ROM)を共存させる方法

以下の画面が表示されます。

1枚のmicroSDで「ROCKNIX」のOSとゲームデータ(ROM)を共存させる方法

パーティションの位置をドラッグして右の方に移動させます。(目安としては「後の未割り当て領域」が2000MB程度になるぐらいの位置まで右に移動させます。)
「OK」ボタンをクリックします。

1枚のmicroSDで「ROCKNIX」のOSとゲームデータ(ROM)を共存させる方法

パーティションの分割が以下のようになります。
(「STOREGE」が後ろに移動し、その前後に未割り当て領域ができている状態です)

1枚のmicroSDで「ROCKNIX」のOSとゲームデータ(ROM)を共存させる方法

「STORAGE」の前側の「未割り当て領域」を右クリックし、「新規作成」を選択します。

1枚のmicroSDで「ROCKNIX」のOSとゲームデータ(ROM)を共存させる方法

以下のメッセージが表示された場合は、「はい」をクリックします。

1枚のmicroSDで「ROCKNIX」のOSとゲームデータ(ROM)を共存させる方法

パーティションのラベルには、任意の名前を入力します。(今回はわかりやすいように「DATA」とします)
ファイルシステムは、「exFAT」を選択します。
「OK」をクリックします。

1枚のmicroSDで「ROCKNIX」のOSとゲームデータ(ROM)を共存させる方法

パーティションは以下のようになります。
(「未割り当て領域」が「exFAT」に変わっています。)

1枚のmicroSDで「ROCKNIX」のOSとゲームデータ(ROM)を共存させる方法

まだこの状態ではパーティションの情報は変更されていないので、「MiniTool Partition Wizard 無料版」の画面にある「適用」ボタンをクリックし、変更を反映します。

パソコンからmicroSDを取り出し、「XU MINI M」のTF1(左側のmicroSDスロット)に入れます。

「XU MINI M」の電源をONにし、起動後すぐにシャットダウンして電源をOFFにします。

「XU MINI M」からmicroSDを取り出し、パソコンに挿入します。
「DATA」ラベルをつけたドライブに「roms」フォルダが作成され、その下には各ゲーム機ごとのフォルダが作成されています。

1枚のmicroSDで「ROCKNIX」のOSとゲームデータ(ROM)を共存させる方法

あとは、フォルダにゲームのROMファイルをコピーすれば「XU MINI M」でゲームをプレイできます。

まとめ

本記事では、「XU MINI M」をもっと使えるゲーム機に変えてくれるLinuxOS「ROCKNIX」を紹介しました。

デフォルトのStockOSと比べると、日本語にも対応していて、細かな設定もできるので、快適になりました。

NintendoDSが重たいという点が気になりましたが、PSPやセガサターン、Nintendo64もタイトルを選ぶもののそれなりにプレイできる点が良いです。

試してみて損はしないOSだと感じました。microSDカードを別に用意するだけで試せる(気に入らなければ元のOSにすぐ戻せる)ので、一度試してみてはいかがでしょうか。

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