この記事では、次のような疑問や悩みに答えます。
- 「XU MINI M」にデフォルトで搭載されているLinuxOS(StockOS)が使いにくいので、別のOSを入れたい。
- 「XU MINI M」にカスタムファームウェア「PlumOS」を導入するやり方が知りたい。
AMPOWN(MagicX)から販売されている2.8インチのIPS液晶を備えた小型の中華ゲーム機「XU MINI M」には、デフォルトでLinuxOS(StockOS)が搭載されています。
「XU MINI M」については以下の記事で紹介しています。
デフォルトのStockOSはカスタマイズできる項目が限られているため、もっと設定を触りたいと思っても変更できず、痒い所に手が届かないと感じられている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、「XU MINI M」をもっと使えるゲーム機に変えてくれるLinuxOS「PlumOS」を紹介します。
「PlumOS」は、各種項目のカスタマイズや日本語対応など、「XU MINI M」を使いやすく、遊びやすくしてくれる機能が満載です。導入方法と簡単な使用方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
カスタムファームウェア「PlumOS」とは
カスタムファームウェア「PlumOS」は、AMPOWN(MagicX)から販売されている「XU MINI M」用のLinuxOSです。
「XU MINI M」にデフォルトで入っているStockOS_20240811(AmberELEC)を元に改修したカスタムファームウェアです。
「PlumOS」は、v1.0をもって開発および更新を終了しています。
詳しくは、以下のサイトで確認できます。
「PlumOS」導入の事前準備
「PlumOS」を導入するためには、事前準備として以下が必要となります。
<事前準備>
・microSDカード(2枚)
・パソコン
・7zip(圧縮解凍ツール)のインストール
・Rufus(microSDへ書き込むツール)のインストール
microSDカード(2枚)
microSDカードを2枚用意します。
1枚目はOS用、2枚目はゲームデータ(ROM)用です。
今回は、1枚目に64GB、2枚目に128GBのmicroSDを用意しました。

1枚目の容量は32GB程度あれば十分です。
2枚目の容量はゲームデータの量に合わせて用意してください。(128GBもあれば十分だとは思います。)
1枚のmicroSDでOSとゲームデータを兼ねることも可能ですが、パーティション操作ができるソフトが別に必要となるため、手順が増え、若干難易度が上がるので、本記事では2枚のmicroSDカードを使う方法を紹介します。
パソコン
「PlumOS」の導入作業にはパソコンが必要です。
本記事では、Windows11のパソコンを使って説明します。
また、パソコンでmicroSDカードの読み書きを行うため、パソコンにSDカードスロットが搭載されていない場合は、microSDカードリーダーも必要になります。
7zip(圧縮解凍ツール)のインストール
「PlumOS」のOSイメージファイルは特殊な圧縮ファイル(分割された圧縮ファイル)で提供されています。そのため、特殊な圧縮ファイルを解凍できるソフトとして7zipを使います。
用意したパソコンに7zipをインストールします。
インストールの詳細は割愛しますが、以下のサイトからインストーラーをダウンロードして、インストールすればOKです。
Rufus(microSDへ書き込むツール)のインストール
「PlumOS」のOSイメージをmicroSDに書き込む作業が必要になります。
そのため、microSDに書き込むソフトとしてRufusを使います。
用意したパソコンにRufusをダウンロードして配置します。
Rufusはパソコンへのインストール作業は不要で、以下のサイトからダウンロードしたexeファイルを任意の場所に配置して実行するだけで使えます。
「PlumOS」の導入手順
「PlumOS」の導入手順を説明します。
(前述の「事前準備」を済ませている前提で進めます。)
導入の流れは以下のようになります。
1)「PlumOS」のイメージファイルをダウンロードする
2)1枚目のmicroSDに「PlumOS」のイメージファイルを書き出す
3)2枚目のmicroSDにゲームデータ(ROM)を用意する
1)「PlumOS」のイメージファイルをダウンロードする
「PlumOS」のイメージファイルをインターネットからダウンロードする手順を説明します。
パソコンのWebブラウザで以下のサイトにアクセスします。
アクセスした画面の下の方に移動すると、「PlumOS」のイメージファイル(分割して圧縮されたファイル)のダウンロードリンクがあるので、3つのファイルをダウンロードします。

ダウンロードした3つのファイル(001〜003)が同じフォルダ内にある状態にします。

001のファイルを選択した状態で、右クリックして、「7-Zip」を選択し、さらに「ここに展開」を選択します。

同じフォルダの中に、「〜.img」ファイルができます。
この「〜.img」ファイルが「PlumOS」のイメージファイルです。

2)1枚目のmicroSDに「PlumOS」のイメージファイルを書き出す
1枚目のmicroSDに「PlumOS」のイメージファイルを書き出す手順を説明します。
パソコンに1枚目のmicroSDを挿入します。
Rufus(microSDへ書き込むツール)を起動します。
最初に、「デバイス」で、1枚目のmicroSDを選択します。
次に、「ブートの種類」で、「選択」ボタンをクリックして「PlumOS」のイメージファイル(〜.imgファイル)を選択します。
最後に、「スタート」ボタンをクリックします。

「スタート」ボタンをクリックすると、警告が表示されます。
間違いなく1枚目のmicroSDであることを確認して「OK」をクリックします。

書き出しが完了すると以下のような画面になります。
「閉じる」をクリックしてRufusを終了します。

これで「PlumOS」のmicroSDが完成しました。
1枚目のmicroSDを「XU MINI M」のTF1(左側のmicroSDスロット)に入れます。

「XU MINI M」の電源をONにすると、「PlumOS」が起動します。

起動後に、スタートボタンを押してメインメニューを表示します。
メインメニューの「QUIT」>「SHUTDOWN SYSTEM」を選択し、電源をOFFにします。
※セレクトボタンを押して「SHUTDOWN SYSTEM」で電源をOFFにすることも可能です


3)2枚目のmicroSDにゲームデータ(ROM)を用意する
2枚目のmicroSDにゲームデータ(ROM)を用意し、ゲームをプレイするまでの手順を説明します。
2枚目のmicroSDのフォーマット形式が「exFAT」でない場合やmicroSD内にデータが存在する場合は、パソコンで「exFAT」でフォーマットします。
(「exFAT」形式の空のmicroSDを用意するのが目的です)
「exFAX」でフォーマットされた2枚目のmicroSDを「XU MINI M」のTF2(右側のmicroSDスロット)に入れます。

電源をONにして起動した後に、スタートボタンを押してメインメニューを表示します。
メインメニューの「TF CARD MANAGEMENT」>「TF1+TF2」を選択します。


「XU MINI M」の電源をOFFにして、再度電源をONにします。
このタイミングで2枚目のmicroSDに必要なフォルダ(ROMやBIOS格納用のフォルダ)が作成されます。
「XU MINI M」の電源をOFFにして、2枚目のmicroSDを取り出します。
パソコンに2枚目のmicroSDを挿入します。
2枚目のmicroSDの中にはゲームごとにフォルダが作成されているのがわかります。

遊びたいゲーム機のフォルダにロムファイルをコピーします。
例えば、スーパーファミコンであれば「snes」フォルダの下に、スーパーファミコンのロムファイルをコピーします。

BIOSが必要な場合は、「bios」フォルダにBIOSファイルをコピーします。
(BIOSを必要としないゲーム機であればこの作業は不要です)

パソコンから2枚目のmicroSDを取り出し、「XU MINI M」のTF2(右側のmicroSDスロット)に入れ、「XU MINI M」の電源をONにします。
起動すると、2枚目のmicroSDのフォルダからロムのデータを自動的にスキャンし、ロムが入っているゲーム機が選択できるようになります。
先ほどスーパーファミコンのロムを2つ入れたので、下の写真では、スーパーファミコンが表示されています。

スーパーファミコンを選択すると、ゲームの選択画面が表示されます。
ここでゲームを選択します。

ゲームを選択すると、ゲームが起動します。

あとは思う存分、プレイするだけです。
「PlumOS」の使用感
「PlumOS」を使ってまず感じたのは、設定項目の多さです。
デフォルトのStockOSでは、設定項目が少なく、自由度があまりありませんでした。「PlumOS」ではその点が劇的に良くなっています。
特にありがたいのが、表示言語として日本語を設定できるという点です。
スタートボタンを押して、「UI SETTING」の中にある「LANGUAGE」で言語を日本語(Japanese)に設定できます。

スタートボタンを押して表示されるメインメニューでは、様々な設定の変更が可能です。また各設定項目について変更できる内容が多岐に渡り、カスタマイズ性が高いです。

例えばUI設定では、テーマや言語の設定、FPSの表示なども可能です。他にも下にスクロールすると様々な設定の変更が可能です。

BATOCRA設定では、タイムゾーンや時刻の表示形式、明るさの変更といったシステムに関する設定の変更が可能です。

ゲームプレイ中にGボタンを押すと、コアの設定を細かく変更できたり、ゲームの状態のセーブやロード、コントローラの割り当て変更など、ゲーム中の設定に関しても多岐にわたって細かいレベルで設定できます。

ゲームのプレイについては、デフォルトのStockOSではうまく動作しなかったものが動作するようになったりと、改善されている点がありました。(逆に、うまく動作しないものもあるかもしれませんが)
とはいえ、基本的にはPlayStationぐらいのゲームがそれなりに動き、Nintendo64はかなり厳しい状態であることには変わりありません。(結局は本体のスペック不足だと思われるので、どうしようもありません)
あと、なぜかPSPが起動できませんでした。一つ前のOSのバージョン(Ver.0.10)でも試してみましたが、それでもPSPは起動しませんでした。そもそもPSPをプレイするには性能不足なので、プレイできなくても良いと割り切るのも一つですが、タイトルによってはそれなりに遊べるものもあるので、やはり起動できないというのはマイナスポイントです。(ネットの動画などでは普通のプレイされている方もおられるので、何か方法はあるのだと思います。起動方法がわかる方がおられれば、コメントに共有いただけると助かります)
OSの起動時間は16秒程度でした。
デフォルトのStockOSの起動時間は20秒程度だったので、4秒ほど早くなっています。
あと、試してはいませんが、USB Wifiドングルでネットワークへの接続が可能との事です。
まとめ
本記事では、「XU MINI M」をもっと使えるゲーム機に変えてくれるLinuxOS「PlumOS」を紹介しました。
デフォルトのStockOSと比べると、起動は4秒ほど早くなり、細かな設定ができ、日本語表示もでき、OSとしてはかなり快適になりました。
PSPがうまく起動しないといった問題に当たってしまいましたが、トータルとしては良いOSだと思います。microSDカードを別に用意するだけで試せる(気に入らなければ元のOSにすぐ戻せる)ので、一度試してみてはいかがでしょうか。



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