この記事では、次のような疑問や悩みに答えます。
- 小型で高性能なパソコンを探している。
- GEEKOMのミニPC「Mini IT13」がどのような製品か知りたい。
- GEEKOMのミニPC「Mini IT13」の性能が知りたい。
最近各社から相次いで製品が投入されているミニPCは、製品のラインナップが多いため、購入の際にどれが良いのか決められないという方も多いのではないでしょうか。
選択肢が多いのは良いことですが、多すぎると決めるのも難しくなります。
そこで本記事は、ミニPCの中でも特に性能を重視した製品として、ミニPCで実績のあるGEEKOMから販売されている「Mini IT13」を紹介します。
「Mini IT13」は、CPUにIntelの「i9-13900H」を搭載したパワフルなミニPCです。性能を重視したい方にはおすすめの製品です。
記事内では、製品のスペックや外観、性能計測の結果なども紹介しますので、製品選定の参考にしていただけます。
GEEKOMのミニPC「Mini IT13」の製品概要
「Mini IT13」は、GEEKOMが販売する Intelの第13世代CPUを搭載した小型のパソコンです。
CPUにはIntel Core i9-13900H(14コア、20スレッド)を搭載し、メモリは最大32GB、ストレージは最大2TBのモデルが用意されています。(換装することで、メモリは最大64GBまで拡張が可能)
※本記事では、メモリ32GB、ストレージ2TBのモデルを紹介します
なんと執筆時点で最新のWiFi6Eに対応し、Bluetooth5.2による無線接続も可能です。
本体は片手に乗せられるぐらいコンパクトです。
主なスペックは以下の通りです。
型番 | Mini IT13 |
CPU | 第 13 世代インテル Core i9-13900H (14 コア、20スレッド、24M キャッシュ、5.40 GHz) ※i7(Core i7-13700H)搭載モデルもあり |
グラフィック | Intel Iris Xe Graphics eligible |
メモリ | デュアルチャネル DDR4-3200 SODIMM、32GB ※64GBまで拡張可能 |
ストレージ | 1 x SSD (2280 M.2 SATA/PCIe Gen4 x4)、2TB ※2TBまで拡張可能。 |
ストレージ拡張 | 1 x 2.5 インチ SATA HDD (7mm)、非搭載 ※2TB まで拡張可能 |
インタフェース(前面) | USB 3.2 Gen 2 + PD ポート x 1 USB 3.2 Gen 2 ポート x 1 3.5 mm ヘッドフォン ジャック x 1 電源ボタン |
インタフェース(背面) | DC ジャック USB4 + DP ポート x 2 HDMI 2.0 ポート x 2 RJ45 2.5ギガビット イーサネット ポート x 1 USB 3.2 Gen 2 ポート x 1 USB 2.0 ポート x 1 |
インタフェース(側面) | SD カード リーダー x 1 |
ワイヤレス | Intel Wi-Fi 6E Bluetooth v5.2 |
OS | Windows 11 Pro |
サイズ | 約 117 x 112 x 49.2 mm |
重量 | 約 652g |
詳細は、以下の公式サイト、またはAmazonのサイトでも確認できます。
また、「Mini IT13」には i7(Core i7-13700H)のモデルも用意されています。
GEEKOM「Mini IT13」のパッケージと内容物
GEEKOM「Mini IT13」のパッケージを紹介します。
パッケージはしっかりとした紙製の箱です。
薄いビニールで保護されているので、配送時の水濡れの心配がありません。
パッケージの表側には、大きく「Mini IT13」のカラフルな文字がデザインされています。
パッケージの側面には、ミニPC本体の前面と背面の写真がプリントされています。シンプルなデザインが多いミニPCのパッケージとは違い、パッケージへのこだわりが感じられます。
パッケージの裏側には、スペックが記載されています。
パッケージを開封すると、まずはミニPC本体が現れます。
しっかりとした梱包で安心です。
パッケージの中には、以下の6点が入っています。
<内容物>
・ミニPC本体(Mini IT13)
・電源アダプタ+電源ケーブル
・HDMIケーブル
・VESAマウントキット
・ユーザーガイド
・Thank You カード
内容物(付属品)を順番に見ていきます。
電源アダプタと電源ケーブルです。
電源ケーブルは3P(三又)になっているので、2Pへの変換アダプタを用意するか、3Pが挿せるコンセントが必要です。
電源アダプタは、120W出力の物が付属しています。
長さが約1mのHDMIケーブルも付属します。
VESAマウントするための金具とネジが付属します。
VESA対応のディスプレイの裏などに固定したい場合に使用します。
ユーザガイドは多言語表記で、日本語の記載もあります。
図が多めなので、分かりやすいです。
Thank You カードも入っています。
ちょっとした気遣いが嬉しいです。
GEEKOM「Mini IT13」の外観
GEEKOM「Mini IT13」の外観を紹介します。
開封直後は、保護シートと保護フィルムにより本体が保護されています。
本体は濃いブルーメタリックを基調とし、正方形に近い形です。
本体に高強度のメタルフレームを採用していて、剛性が高いです。
濃いブルーメタリックのカラーリングと光が当たった時の金属の質感が高級感を演出します。
上面(天面)は、中央に「GEEKOM」のロゴがプリントされています。
前面には、ボタンや端子類が配置されています。
左から、「USB Type-A(3.2 Gen 2 + PDポート)」、「USB Type-A(3.2 Gen 2)」、「3.5mm ヘッドフォンジャック」、「電源ボタン」が配置されています。
背面にも端子類が多数配置されています。
左から、「DCジャック」、「USB4 + DPポート」、「HDMI 2.0」、「2.5ギガビットイーサネット」、「USB Type-A(3.2 Gen 2)」、「USB 2.0」、「USB4 + DPポート」、「HDMI 2.0」が配置されています。
側面には、「SDカードリーダー」と「セキュリティスロット」が配置されています。
底面には、ゴム足と内部にアクセスするためのネジが4箇所配置されています。
(技適マークも取得されていますので、国内でも安心してワイヤレスでの利用が可能です)
GEEKOM「Mini IT13」を接続して起動
「Mini IT13」に電源ケーブルとディスプレイ、キーボード、マウスを接続して起動します。
起動すると、Windows11の初期設定画面が立ち上がります。
画面に従って操作すると、Windows11が使用できる状態になります。
OSは「Windows11 Pro (バージョンは22H2) 」であることが確認できます。
CPUは「Intel i9-13900H」で、14コア20スレッドであることが確認できます。
こんなにコンパクトなPCで20スレッドが表示されているのは圧巻です。
メモリは 32GB で、ストレージ(SSD)は 2TB であることが確認できます。
※今回装着されていたSSDはLexarのNM7A1で、PCIe Gen4 x4でした
GEEKOM「Mini IT13」の性能を計測
「Mini IT13」の性能を計測します。
CPUやGPU、ディスク性能を計測していきます。
CINEBENCH R23 での計測結果
「CINEBENCH R23」を使ってCPUの性能を計測します。
まずはシングルスレッドの性能から計測します。
計測前のCPU温度は45℃近辺です。(計測時の室温は28℃程度)
計測中のほとんどで、CPU温度は70℃台後半〜80℃台前半で推移していました。
計測の結果、シングルスレッドのスコアは「1709」でした。
ベンチマーク中の最大温度は89℃となりました。サーマルスロットリングは発生していないようです。
次にマルチスレッドの性能を計測します。
計測開始の立ち上がりでは、すべてのCPUコアが90℃を超えるような温度となり、結果としては3つのコアで100℃に達しサーマルスロットリングが発生しました。しかしうまく制御されているようで、その後はほとんどの場面でCPU温度は70℃台後半〜80℃台前半で推移していました。
計測の結果、マルチスレッドのスコアは「12596」でした。
ベンチマーク中の最大温度は100℃となりました。
「CINEBENCH R23」の計測結果は、シングルが「1709」、マルチが「12596」と非常に高い性能になっています。サーマルスロットリングやCPU温度上昇抑制のための制御により性能が発揮できていない部分もありそうなので、もう少し室温の低い環境で使用した場合はさらに性能が上がる可能性はあります。
高負荷時のCPU温度は高めですが、100℃を超えないように制御されているので問題はなさそうです。
Geekbench 6 での計測結果
「Geekbench 6」を使ってCPUとGPUの性能を計測します。
CPUの計測結果は以下のとおり、シングルが「2407」、マルチが「11658」でした。
GPUの計測結果は以下のとおり、OpenGLが「16230」でした。
「Geekbench 6」の計測結果も非常に高い値となっています。
CrystalDiskMarkでの計測結果
「CrystalDiskMark」を使ってストレージ(SSD)の性能を計測します。
結果は、読み込みが「4853 MB/s」、書き込みが「4467 MB/s」とかなりの速度が出ています。
SSDがPCIe Gen4 x4ということもあって、十分すぎるぐらいの速度が出ています。
これだけの速度が出ていれば、ディスクの読み書きで遅いと感じる場面はほとんどないと思います。
GEEKOM「Mini IT13」のゲーム性能を計測
「Mini IT13」のゲーム性能を計測します。
本製品はゲーム向けのPCではありませんが、試しにどれぐらいの性能を持っているのかを計測しました。
搭載しているGPUは、CPU内蔵の「Intel(R) Iris(R) Xe Graphics」です。
ドラゴンクエストX ベンチマーク
ドラゴンクエストX ベンチマークアプリで計測します。
設定は、標準品質、フルHD(1920 x 1080)、フルスクリーンで実施します。
ベンチマーク中のFPSは多くの場面で100FPS以上をキープしていました。
計測の結果は、スコア「11249」で、評価「すごく快適」でした。
ドラゴンクエストX は、比較的軽めなゲームということもあり、十分快適に遊べそうです。
ファイナルファンタジーXIVベンチマーク
ファイナルファンタジーXIVベンチマークアプリで計測します。
設定は、標準品質(デスクトップPC)、フルHD(1920 x 1080)、フルスクリーンで実施します。
ベンチマーク中のFPSは多くの場面で40FPSあたりをキープしていました。
計測の結果は、スコア「7205」で、評価「やや快適」でした。
ファイナルファンタジーXIVは、それなりにプレイできそうです。
ファイナルファンタジー XVベンチマーク
ファイナルファンタジー XVベンチマークアプリで計測します。
設定は、軽量品質、フルHD(1920 x 1080)、フルスクリーンで実施します。
ベンチマーク中のFPSは多くの場面で30FPS前後となっていました。
計測の結果は、スコア「3100」で、評価「普通」でした。
ファイナルファンタジー XVは重めのゲームということもあり、設定を落としても「普通」という結果でした。プレイできなくはないけれど、快適にプレイするのは厳しいです。
GEEKOM「Mini IT13」の使用感
GEEKOM「Mini IT13」の使用感として、良いと感じた点、イマイチと感じた点を紹介します。
良いと感じた点
ミニPCの中でも高性能
Intelの第13世代CPUである「Core i9-13900H(14コア、20スレッド)」を搭載し、32GBのメモリと2TBのSSDといった非常に性能の高い構成になっています。ミニPCの中でも高性能な部類に属します。
普段のWebブラウジングやオフィス業務、ZOOMなどのオンラインミーティングなどはもちろん余裕でこなせます。高いグラフィック性能を要求されるような作業でなければ、ほとんどをこなすことができます。
実際にWebブラウザでタブを何十個も開きながら、同時に動画再生やオフィスファイルの編集、複数アプリケーションの操作を行っても、サクサクと動作します。
約1年半前に第12世代のIntel Core i5 を使って、メインで使用するためのデスクトップPCを自作したのですが、それよりもベンチマークの数値が高いのには驚愕しました。「Mini IT13」よりも自作PCの方が何十倍もサイズが大きいのに、性能は負けているというのは本当に驚きです。
メインPCとしても十分に使える性能を持っています。
端子類が豊富(USB4端子を2つも備えている)
小さな本体の中に、豊富な端子類を備えています。
USB端子だけでも、40Gbpsでの高速データ転送と映像出力が可能なUSB4が2ポート、USB3.2が3ポート、USB2.0が1ポートと合計6ポートもあります。他にも高速な2.5ギガビットイーサネットポートやHDMI x2、SDカードリーダ、ヘッドフォンジャックといった形で端子類が豊富です。
端子類以外にも、高速なWi-Fi 6EやBluetooth v5.2にも対応している点も魅力的です。
最大8Kの出力、4画面同時出力に対応
USB4(2ポート)とHDMI(2ポート)を使って、最大4画面同時出力が可能です。
USB4では、最大8K30Hz出力が可能。
HDMIでは、最大4K60Hz出力が可能。
最大4画面まで出力可能なので、作業効率が上がります。
ディスプレイポートを使った画面出力機能を持つPCも多いですが、個人的にはディスプレイポートは少し扱いにくいと感じています。その点、本製品はUSB4とHDMIなので扱いやすいです。
ストレージ性能が高く、容量も十分
ストレージの性能は、アプリの起動やファイルのコピーなど、パソコン操作の様々な部分で関係します。搭載しているSSDは、読み込み速度が「4853 MB/s」、書き込み速度が「4467 MB/s」と非常に高速なため、操作中もキビキビと動き、ストレスを感じません。
なんと、電源オフの状態から電源を入れて、ログイン画面が表示されるまで10秒かかりません。
容量も2TBあるのでほとんどの用途では十分です。また、増設も可能なので万一容量が足りなくなった場合でも安心です。
SDカードスロットを備えている
ミニPCには珍しく、標準のSDカードスロットが搭載されています。
特に写真や動画撮影でSDカードを扱う方や、SDカードにデータを保存している場合には重宝します。スマホやタブレットとのmicroSDカードでのデータのやり取りもしやすいです。(microSDを扱う場合は、変換アダプタは必要になります)
イマイチと感じた点
USB Type-Aポートが少し硬め
前面、背面ともにUSB Type-Aポートの抜き差しが少し硬いです。
初めの頃は、差し込む際は本当に向きが合っているのか心配になりました。
慣れれば力加減がわかるようにはなります。
使用しているうちにもう少し緩くなるかもしれません。
電源アダプタが大きい
120W出力ということもあり、電源アダプタが大きいです。
特に持ち運ぶようなことは少ないと思うので、それほど問題にはなりませんが、どうしても場所をとってしまうので、もう少しコンパクトだったら良いのにと感じました。
また、別途所有している140W出力のUSB-C充電アダプタで起動するかを試しましたが、所有している充電アダプタでは起動できませんでした。USB4ポートはUSB PDには対応していないので起動しないのは当たり前ですが、USB-C充電アダプタで起動できないのは個人的に少し残念です。
まとめ
本記事は、ミニPCの中でも特に性能を重視した製品として、ミニPCで実績のあるGEEKOMから販売されている「Mini IT13」を紹介しました。
こんなにコンパクトなボディに高性能、豊富な端子類、機能性(4画面同時出力、8K出力対応など)を詰め込んだ魅力いっぱいのミニPCに仕上がっています。
個人的には、濃いブルーメタリックの高級感のあるボディも気に入っています。
ミニPCを探していて、性能や機能では妥協をしたくないという方には特におすすめの製品です。
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