この記事では、次のような疑問や悩みに答えます。
- 小型で高性能なパソコンを探している。
- GEEKOMのミニPC「Mini IT11」がどのような製品か知りたい。
- GEEKOMのミニPC「Mini IT11」の性能が知りたい。
小型で場所を取らないミニPCは、各社から様々な製品が販売されています。
性能が高いミニPCも増え、選択の幅が広がっています。
一方で、選択の幅が増えてきたからこそ、どの製品を選んだら良いのか迷われる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ミニPCで実績のあるGEEKOMのミニPC「Mini IT11」を紹介します。
製品のスペックや外観、性能計測の結果なども紹介しますので、製品選定の参考にしていただけます。
十分な性能と拡張性を備えているので、多くの用途で使える製品に仕上がっています。
GEEKOMのミニPC「Mini IT11」の製品概要
「Mini IT11」は、GEEKOMが販売する Intelの第11世代CPUを搭載した小型のパソコンです。
Intel i7-11390H(4コア、8スレッド)を搭載し、メモリは最大32GB、ストレージは最大1TBのモデルが用意されています。(換装することで、メモリは最大64GB、ストレージは最大2TBまで拡張が可能)
※本記事では、メモリ32GB、ストレージ1TBのモデルを紹介します
WiFi6、Bluetooth5.2による無線接続にも対応しています。
本体は片手に乗せられるぐらいコンパクトです。
主なスペックは以下の通りです。
型番 | Mini IT11 |
CPU | 第 11 世代インテル Core i7-11390H (4 コア、8 スレッド、12M キャッシュ、4.70 GHz) |
グラフィック | Intel Iris Xe |
メモリ | デュアルチャネル DDR4 SODIMM、32GB ※64GBまで拡張可能 |
ストレージ | 1 x SSD (2280 M.2 SATA/PCIe)、1TB ※2TBまで拡張可能。 |
ストレージ拡張 | 1 x 2.5 インチ SATA HDD (7mm)、非搭載 ※2TB まで拡張可能 |
インタフェース(前面) | USB4 ポート x 1 USB 3.2 Gen 2 ポート x 1 3.5 mm ヘッドフォン ジャック x 1 電源ボタン |
インタフェース(背面) | DC ジャック Mini DisplayPort x 1 RJ45 ギガビット イーサネット ポート x 1 USB 3.2 Gen 2 ポート x 2 USB4 ポート x 1 HDMI 2.0 ポート x 1 |
インタフェース(側面) | SD カード リーダー x 1 |
ワイヤレス | Intel Wi-Fi 6 Bluetooth v5.2 |
OS | Windows 11 Pro |
サイズ | 約 117 x 112 x 46 mm |
重量 | 約 563g |
メモリ32GB、ストレージ1TBのモデル以外にも、ベアボーン(OSライセンス、メモリ、SSDなし)やメモリ16GB、ストレージ512GBといったいくつかのモデルが用意されています。
詳細は、以下の公式サイト、またはAmazonのサイトでも確認できます。
また、「Mini IT11」には i5(Core i5-1155G7)のモデルも用意されています。
GEEKOM「Mini IT11」のパッケージと内容物
GEEKOM「Mini IT11」のパッケージを紹介します。
パッケージは丈夫な紙製の箱です。
薄いビニールで保護されているので、配送時の水濡れの心配がありません。(ダンボールに入って配送されるので、水に触れるようなことはそもそもないとは思いますが、より安心です)
パッケージの上部はカラフルな「Mini IT11」の文字があしらわれ、かっこいいデザインです。
側面には、製品本体の前面と背面の写真がプリントされていて、パッケージのデザインにもこだわっていると感じました。
パッケージを開封すると、中の本体はしっかりと固定されて収まっています。
パッケージの中には、以下の6点が入っています。
<内容物>
・ミニPC本体(Mini IT11)
・電源アダプタ+電源ケーブル
・HDMIケーブル
・VESAマウントキット
・ユーザーガイド
・Thank You カード
順番に内容物を見ていきます。
電源アダプタ+電源ケーブルです。
コンセント側は3P(三又)になっているので、2Pへの変換アダプタを用意するか、3Pが挿せるコンセントが必要です。
アダプタの出力は 64.98W です。
HDMIケーブルが付属します。長さは約 1mです。
VESAマウントするための金具とネジが付属します。
VESA対応のディスプレイの裏などに固定したい場合に使用します。
ユーザガイドは多言語表記で、日本語での記載もあります。
図が多めなので、分かりやすいです。
Thank You カードも入っています。
このような購入者への気遣いができるメーカーは良いですね。
GEEKOM「Mini IT11」の外観
GEEKOM「Mini IT11」の外観を紹介します。
本体はダークグレーを基調とし、正方形に近い形です。
材質は金属で剛性が高く、シンプルでありながらも高級感があります。
上面(天面)は、中央に「GEEKOM」のロゴがプリントされています。
前面には、ボタンや端子類が配置されています。
左から、「USB4 」、「USB Type-A(3.2 Gen 2)」、「ヘッドフォンジャック」、「電源ボタン」が配置されています。
背面にも端子類が多数配置されています。
左から、「DCジャック」、「Mini DisplayPort」、「ギガビットイーサネット」、「USB Type-A(3.2 Gen 2)x2」、「USB4」、「HDMI 2.0」が配置されています。
側面には、「SDカードリーダー」と「セキュリティスロット」が配置されています。
底面には、ゴム足と内部にアクセスするためのネジが4箇所配置されています。
(技適マークも取得されていますので、国内でも安心してワイヤレスでの利用が可能です)
GEEKOM「Mini IT11」を接続して起動
「Mini IT11」に電源ケーブルとディスプレイ、キーボード、マウスを接続して起動します。
起動すると、Windows11の初期設定画面が立ち上がります。
画面に従って操作すると、Windows11が使用できる状態になります。
OSは「Windows11 Pro」であることが確認できます。
CPUは「Intel i7-11390H」で、4コア8スレッドであることが確認できます。
メモリは 32GB で、ストレージ(SSD)は 1TB であることが確認できます。
※今回装着されていたSSDはLexarのNM620で、PCIe Gen3 x4でした
GEEKOM「Mini IT11」の性能を計測
「Mini IT11」の性能を計測します。
CPU性能やGPU性能に加え、ディスク性能、ゲーム性能も計測していきます。
CINEBENCH R23 での計測結果
「CINEBENCH R23」を使ってCPUの性能を計測します。
まずはシングルスレッドの性能から計測します。
計測前のCPU温度は55℃近辺です。(計測時の室温は29℃程度)
計測中のCPU温度は90℃台後半まで上がりました。
シングルスレッドのスコアは「1563」でした。
ベンチマーク中の最大温度は98℃となりました。CPU温度が100℃にならないようにサーマルスロットリングにより制御されていそうです。
次にマルチスレッドの性能を計測します。
計測中のCPU温度の多くは80℃台前後で推移していました。
マルチスレッドのスコアは「5764」でした。
ベンチマーク中の最大温度は98℃となりました。
CPUはシングルが「1563」で高い性能になっています。
マルチは「5764」と、それなりの性能です。
高負荷時のCPU温度は高めですが、100℃を超えないように制御されているので問題はなさそうです。
Geekbench 6 での計測結果
「Geekbench 6」を使ってCPUとGPUの性能を計測します。
CPUの計測結果は以下のとおり、シングルが「2241」、マルチが「6175」でした。
GPUの計測結果は以下のとおり、OpenGLが「11806」でした。
CrystalDiskMarkでの計測結果
CrystalDiskMarkを使ってストレージ(SSD)の性能を計測します。
結果は、読み込みが「3507 MB/s」、書き込みが「3236 MB/s」とかなりの速度が出ています。
これだけの速度が出ていれば十分です。
遅いと感じる場面はほとんどないと思います。
ゲーム性能の計測結果(ファイナルファンタジーXIVベンチマーク)
ファイナルファンタジーXIVベンチマークアプリで計測します。
設定は、標準品質(デスクトップPC)、フルHD(1920 x 1080)、フルスクリーンで実施します。
ベンチマーク中のFPSは多くの場面で30FPSあたりをキープしていました。
計測の結果は、スコア「5370」で、評価「普通」でした。
ファイナルファンタジーXIVは、プレイ可能ですが、快適にプレイする場合は設定を見直す必要があります。
ゲーム性能の計測結果(ファイナルファンタジー XVベンチマーク)
ファイナルファンタジー XVベンチマークアプリで計測します。
設定は、軽量品質、フルHD(1920 x 1080)、フルスクリーンで実施します。
ベンチマーク中のFPSは多くの場面で20FPS前後となっていて、かなり厳しい状況でした。途中でカクツク場面も多くありました。
計測の結果は、スコア「2202」で、評価「重い」でした。
ファイナルファンタジー XVは重めのゲームということもあり、プレイするのは厳しいという結果になりました。
GEEKOM「Mini IT11」の使用感
GEEKOM「Mini IT11」の使用感として、良いと感じた点、イマイチと感じた点を紹介します。
良いと感じた点
スペックが高い
CPUは第 11 世代インテル Core i7-11390Hが搭載されていて、メモリが32GB、SSDが1TBあるので、ブラウジングや動画視聴、オフィスソフトの使用はもちろん余裕で、ちょっとしたクリエイティブな作業でもそれなりにこなせます。
大量のファイルを保存したり、Webブラウザでたくさんのタブを開けたままにしても平気です。
小型のボディであるにも関わらず、十分な性能を備えていて、とても魅力的な製品です。
端子類が豊富(特にUSB4端子が2つある)
USB端子は、USB4が2つ、USB3.2Gen2が3つと合計5つあり、他にもギガビットイーサネットポートやHDMI、Mini DisplayPort、SDカードリーダ、ヘッドフォンジャックと、必要なポートはほぼ全て揃っています。
USB4は映像出力に対応しているので、ポートとしては4画面まで出力が可能です。(実際に4画面同時出力は試せていません)
ミニPCではUSB-Cポートがないものも多い中、USB4を2つも備えている点は評価が高いです。
SDカードスロットが備わっている
ミニPCには珍しく、標準のSDカードスロットが搭載されています。
特に写真や動画撮影でSDカードを扱う方や、SDカードにデータを保存している場合には重宝します。スマホやタブレットとのmicroSDカードでのデータのやり取りもしやすいです。(microSDを扱う場合は、変換アダプタは必要になります)
静音性が高い
負荷が低い時はファンの回転数をかなり抑えているようでほぼ無音です。
高負荷時には「サー」というファンの音はしますが、耳障りな音ではなく、比較的静かな方です。(音の感じ方は人によってかなり異なりますので、あくまでも参考としてください)
ベアボーンモデルが選択できる(バリエーションが豊富)
メモリやSSD、OSライセンスが付属しないベアボーンモデルが用意されているので、OSライセンスやメモリ、SSDなどをすでに所持している場合には、安価に済ませられます。
メモリやSSDが異なるモデルが多数用意されている上に、CPUはi7だけでなく、i5も用意されているのでバリエーションが豊富です。
自分に合ったスペックのものをコスト見合いで選択できる点が嬉しいです。
OSの再インストールにもしっかりと対応
公式サイトのサポートページでは、ドライバやOSイメージが提供されています。
OSの再インストールにもしっかりと対応してくれているので安心です。
詳細なOSの再インストールの方法は、以下の記事にまとめましたので、あわせて参考にしてください。
イマイチと感じた点
USB PDには非対応(アダプタでの給電のみ)
本体への給電は、付属の充電アダプタ/ケーブルでのみ可能です。
基本的には、据え置きで使用するものなのでアダプタの大きさはそこまで問題にはなりませんが、USB PDに対応していれば、小型の充電器とUSBケーブルで充電できるので更に良かったと感じました。ただ、付属の充電アダプタはそこまで大きくはないので許容範囲ではあります。
電源が入れにくい
電源ボタンを押して電源をONにする時、軽く電源ボタンを押しただけでは電源が入りません。少しキツめに押し込むと電源が入ります。もしかしたら個体差かもしれませんので、あくまでも参考程度に思ってください。
まとめ
本記事では、ミニPCで実績のあるGEEKOMのミニPC「Mini IT11」を紹介しました。
ミニPCとしてはCPUのシングル性能が高く、十分な性能を持っています。
端子類が豊富で、これだけ用意されていれば困る場面は少ないと思います。
コンパクトなPCを探されている方には、ぜひ候補にしてもらいたい製品です。
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